2024年に発売された健康食品・保健機能食品の新商品数は、424品となり、前年と比較して約15%の減少しました。これらの商品には、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品、さらには健康志向食品や健康飲料が含まれています。特に、機能性表示食品の割合が減少した一方で、健康食品全体の構成比に変化が見られました。
機能性表示食品の割合が減少
2023年には全体の55.4%を占めていた機能性表示食品が、2024年には41.5%へと大幅に減少しました。この動向は、企業が商品開発における戦略を見直していることを示唆している可能性があります。機能性表示食品は、エビデンスに基づいた健康効果を表示することができるカテゴリーですが、消費者の購買意欲や規制の影響、または原材料の調達コストがその背景にあるかもしれません。
一方で、健康食品カテゴリー全体の中で「健康志向食品」が占める割合が増加し、51.4%で過半数となりました。この傾向は、より手軽に摂取できる食品や飲料が市場で人気を集めていることを反映しています。その他のカテゴリーでは、栄養機能食品が5.0%、特定保健用食品は2.1%と低い割合に留まっています。
採用素材ランキングの変化
新商品の中で使用されている機能性素材についても興味深い変化が見られます。2024年の採用素材ランキングでトップを維持したのは「乳酸菌」であり、88品に採用されました。乳酸菌は5年連続で1位を獲得する人気素材ですが、2023年の106品から減少している点は注目すべきポイントです。
これに対し、前回4位だった「ビタミンC」が今回2位にランクアップしました。ビタミンCは免疫機能の向上や美肌効果など幅広い健康効果が期待される素材であり、消費者の関心が高まっていることが伺えます。
プロテイン商品の人気が上昇
全体の新商品数が減少している中で、採用数が増加した注目素材が「プロテイン」です。プロテインを含む商品の数は2023年の52品から54品へと増加し、ランキングで12位から5位に大幅にランクアップしました。筋肉維持や美容目的など、多様なニーズに応える商品が登場し、市場の注目を集めています。
トレンドの背景
今回のデータから、健康食品市場には以下のようなトレンドが見受けられます。
- 消費者ニーズの多様化
新型コロナウイルスの影響で健康意識が高まった消費者が多い中、より具体的な効果が期待される商品や、日常に取り入れやすい商品への需要が拡大しています。機能性表示食品の割合が減少した背景には、消費者の嗜好が「明確な効果表示」から「健康志向全般」へと変化している可能性があります。 - 素材選定の戦略変化
乳酸菌やビタミンCといった定番素材が引き続き人気を集める一方で、プロテインのように新たな注目を集める素材も台頭しています。これらは、健康維持だけでなく、ライフスタイルやフィットネス市場との親和性が高い素材です。 - 商品の差別化
市場競争が激化する中、企業は独自のコンセプトや新しい素材を採用して他社との差別化を図る動きが見られます。例えば、プロテイン商品では味や用途、消費者のライフスタイルに応じたバリエーションが豊富に展開されています。
まとめ
2024年の健康食品市場において、新商品の発売数が減少する中、機能性表示食品の割合が減少し、健康志向食品が過半数を占めるという変化が明らかになりました。また、採用素材ランキングでは乳酸菌が依然としてトップを維持しつつも、プロテインやビタミンCといった素材が注目を集めています。
健康食品市場の今後の動向は、消費者ニーズや規制の変化、新素材の登場などに大きく左右されると考えられます。企業はこれらのトレンドを的確に把握し、多様化する消費者のニーズに応える商品を開発することで、競争優位性を高めていくことが求められるでしょう。